突然ですが皆さん、スマートシティをご存じですか?
トヨタとNTTが資本提携をして事業を推進させている、あの計画です。
出資額も驚きの双方2000億円ということでしたね。
凄いタッグで、どんなハイテクの技術が実現されるのかワクワクしますよね。
5Gは勿論、さらにその先、6Gの活用も視野に入れているというので驚きですね。
では早速、そもそもスマートシティとは何か下記にまとめていきたいと思います。
そもそもスマートシティとは?
スマートシティはIoT(Internet of Things)の先端技術を用いて基礎インフラと生活インフラとサービスを効率的に管理・運営して環境に配慮しながら人々の生活の質を高めて継続的な経済発展を目的とした新しい都市を指すとされています。
スマートシティとは都市部が抱え込んでいる様々な問題に対しICT等の新技術を活用しつつ計画・整備・運営・管理が行われ最適化が図られる持続可能な都市または地区と定義して個別分野特化型の取り組みが中心でした。
けれど近年はIoT・AI等のビックデータをフル活用する事で交通・防災・エネルギー・医療・健康・環境等、複数の分野を包括的に連動・最適化する「分野横断型」へとシフトを始め「MaaS」も、その一例になりますね。
現在はコネクテッドカー等のスマートモビリティや次世代送電網のスマートグリットなど分野ごとに分断されていたスマートを1つのプラットフォームで統括管理・運営し各インフラのシーレス化を目指す段階にあります。
スマートシティiotに寄せられる期待
まず、そもそも、度々耳にするiotって何のことなの?って疑問に思う人が多いと思いますのでiotについて、まとめていきたいと思います。
IoTはInternet of Thingsの略です。
物のインターネットといった意味合いになるわけですが、従来、ネットはコンピューター同士の接続を行う物でした。
この為パソコンやサーバー等のIT関連機器が接続されていたのですが、今はスマホやタブレット端末も接続されていますね。
最近話題のスマートスピーカー等のデジタル情報家電をネットに接続する流れが主流になりつつあります。
デジタル化された映像だったり写真だったり、音声だったり文字情報だったり様々なデータがネットを介し伝達される場面も、これから、どんどん増えていくのではないでしょうか。
こういった感じで、そこかしこに張り巡らされたネットは、あらゆる物がコミュニケーションの為の情報伝送路になりつつあります。
さて、日本国内に於いても、iot時代に突入した印象があり、これからも日本国内に於いてスマートシティ化が進むと見られている一方で、実証実験は非常に乏しく他の先進国に比べ、大幅に遅れているのが現状です。
実証実験をどんどん進めて日本国内に於いても自動運転等の誕生で渋滞が緩和する日が来る事を期待したいですね。
また、こういったことが電気自動車の普及に良い影響を与え、排ガス等の削減を果たして環境問題の解決の糸口になる事も期待できるのではないでしょうか。
また国土交通省はスマートシティを持続的に機能・発展させるため、交通や電力・通信等、政府指導の公共インフラ整備のみならず技術者開発・サービス提供・都市開発者・都市管理者が地方自治体や住民のニーズと常にマッチするマネジメント体制を築いていくとしています。
国内外問わず、この流れがスマートシティ構想の新潮流と言えますね。
そんなスマートシティが世界で拡大している背景には社会インフラの老朽化問題とエネルギー不足・そして深刻化する高齢化社会等の様々な要因が挙げられています。
スマートシティの日本国内での取り組みと海外事例にも迫ろう
スマートシティの実現は今、まさに現実味を帯びてきているわけですが、それでも日本は諸外国に比べ、やはり後(おく)れを取っているのが現状です。
スマートシティの実現については欧州・アメリカがリードしていますね。
アジアですと中国やシンガポールが近年急激に進行しているのが現状です。
という事でアメリカ・オランダ・中国でのスマートシティの事例・そして日本国内での進行中の取り組みについてまとめたいと思います。
まずニューヨークの事例を見ていきましょう。
ニューヨークのスマートシティ事例
ニューヨークに於いてはスマートシティに関する開発が進んでおり市民・観光客等の生活水準が向上しています。
特に「LinkNYC」と呼ばれるスマートシティ開発は着目している国も多いですね。
LinkNYCはニューヨーク市内の公衆電話を高速Wi-Fiスポットにする施策、市内のどこにいてもギガヒット級の通信が可能となっています。
※ギガヒット級の通信速度とは10分程度の動画だったら0.6秒でダウンロードできる速さです。
ニューヨーク中のある公共施設にはリアルタイム情報をいち早く共有できるスマートスクリーンを設置し、そこの地元ニュースやタイムリーな情報を配信する機能が追加されてニューヨークの人々に旬な情報が提供できるようになったとされています。
また、中国でもスマートシティ化に力を入れています。
という事で中国での事例にも着目していきましょう。
中国でのスマートシティー事例
中国のスマート事例は、ある州でAIを活用した交通整備ですね。
中国は人口が莫大で昨今、自動車を活用する人も増えて、当然ながら事故や交通規則違反の増加も懸念されていたのですが、交通状況をリアルタイムで監視出来るAIを導入しました。
もともと設置していたカメラの制度を高めて研究機関で開発されている画像認識の技術を活かし画像によるデータ解析の制度を高める事に成功しました。
今は交通状態をAIが監視しているだけの状態ですが、いずれ自動的に交通違反の取り締まりが出来るようにと技術の進歩に力を入れています。
スマートシティ課題にも着目してみよう
街の機能が効率化されたり利便性が向上したり、とにかく我々の生活が豊かになるという利点がある一方、解消していかなければならない課題も有るのが現状です。
特に懸念されている点は以下の2点ですね。
- セキュリティのリスク
- 手段が目的へと、すり替わる
IoTは、これまで述べてきたようにモノをネットにつなぐ技術です。
便利な一方、当然ながら、そこにはセキュリティのリスクが存在します。
例えばネット経由で動きを制御されていたデバイスもウイルス感染する可能性が出てきて、実際に感染してしまえば意図しない動作を起こす可能性もあります。
海外の話になりますが某調査会社がIT専門家を対象にした調査によりますと約83%がスマートシティの交通機関を標的にしたサイバー攻撃が不安といった事を回答している事が解りました。
専門家がスマートシティのセキュリティ問題を不安要素として警戒しているのが現状のようですね。
また、手段が目的にすり替わるとは、どういうことなのでしょう。
スマートシティはあくまで国民の生活の質を向上させるための手段ですが、都市の課題設定や意図が曖昧の為IoTの導入そのものが目的となり、不要なコストを或いは費やしてしまう可能性があります。
そのため、相応に慎重に成る必要があります。
こういう事態を避けるためにスマートシティは開発の段階で課題を洗い出し、その解決手段としてIoT等のテクノロジーが本当にベストなのかという点から慎重に吟味していく時期なのではないでしょうか。
スマートシティの具体的な構想
突然ですが、まず世界の人口は約69億人と言われています。
その中で電気がない生活を送る人々が実に16億人いるといわれています。
非電化生活を余儀なくされている16億人の人々には当然ながら快適な電化生活の実現を果たしたいところですね。
最近、中国とインドで生活の向上が著しくなってますね。
インド・中国では多くの方が車を使うようになり、結果残り少ない石油は瞬く間に消費されつくしてしまいます。
この打開策として石油に頼らないエネルギーの安定供給が急務となりますね。
また石油に頼らないという点は環境の側面からもCO2の排出を抑える意味でも重要になります。
低炭素社会の実現を意識して着目されているのが太陽光・風力等の自然な力の利用した再生可能エネルギーですね。
今後は最大限に再生可能エネルギーを取り込んでメガインフラと需要側の双方で管理していく電力の新しい系統制御を行っていくのがスマートシティの構想になります。
各家庭への太陽電池の設置の推進、その電池で発電し、生活に必要な電力を賄い
且つ、余分に余らせることができた部分については電気自動車に蓄電させる。
家電と電力メーターICTを組み込み家電を外出先からでもリモートコントロールできるようにするなんて事も可能になりつつあるんですね。
こうしてスマートハウスが誕生し更には互いの電力を融通し合ってスマートコミュニティができます。
更にコミュニティで余った電力を電力消費の多い都市部に環境負荷が軽度のグリーン電力を送れるよう双配電システムで電力系統のインテリジェント化を実現し、最終的に再生可能エネルギーを最大限利用する社会がスマートシティという事になります。
スマートシティを現実のものにするトヨタの凄さ
電気自動車に積まれているリチウムイオン電池ですが、これは1.6日分の家庭消費電力を溜められている事になります。
従来家庭での太陽光発電等から得た電力は余剰分の蓄電ができませんでしたがスマートハウス化が進化すれば電気自動車に蓄電する事も可能です。
その電気自動車がさらなる進化を果たしたらと思うとワクワクしてきますよね。
今は愛知県の豊田市のスマートシティプロジェクトの中心な役割を担っているトヨタ自動車は、移動先のスーパーやコンビニで電力をやり取りできる車の開発を手掛けている最中です。
従来の電気自動車は車の動力として放電するだけでしたが高性能な電池が開発されることで充電・放電が思いのまま出来るようになれば色んな可能性が広がります。
また、これは家庭部門の電力の自由化も視野に入れたプロジェクトでもあり、現在は50KW以上の高圧電力しか自由化されていませんね。
家庭レベルの低圧電力は地域ごとに電力会社が独占共給しています。
けれど政権が代わって規制緩和を受け入れやすい状態にある今、電力需給システムに規制改革が行われれば、新たなビジネスモデルも生まれる可能性が高くなりますね。
さて、トヨタとNTTで2000億円ずつの出資を行った事は冒頭で述べましたが思惑としては、トヨタが持つ自動運転技術とNTTが誇る高い通信インフラの技術を組み合わせ、移動サービスの開発で幅広く協力して世界的にも開発が活発になってきている最先端の街づくりの構想を推進したい狙いがあります。
自動車業界では自動運転や電動化等「CASE」と呼ばれる最先端技術をめぐって競争が激しさを増しています。
また通信業界に於いても大容量の情報を瞬時にやり取りできる通信サービスを目指した競争も熾烈を極め、いずれにしてもスマートシティの推進に欠かせない重要な技術となっています。
スマートシティでドコモはどう関わってくる
去る2020年2月3日「Docomo Open House」が行われました。
色々進化する時代、docomoが主催したOpen Houseは「人・物・事の情報化」「データ獲得・蓄積」「未来予測と知の発見」を身近に感じられる良い機会だったとされています。
例えば渋滞の緩和を促す仕組みとして、サイバー空間上で車両の走行状況や目的地・道路状況等を情報化させ、これらのデータからシミュレーションを描き個々の車の走行経路を最適化、トラフィックを分散させることができます。
また筋変異センサーや触感提示技術を活かし、手・腕等の体の情報をコンピューターと相違伝達する事ができます。
これで人やロボット・VRへ自らの体の動きを伝えたり、逆のパターンでロボットの動きを自身の感覚領域へフィードバックさせることも可能とします。
docomoでは2019年「BodySharing®」の技術と5Gを活用したビジネスアイデアを募るコンテストで最優秀賞を受賞しました。
自宅にBodySharing®と5Gを駆使した仕事場を作る事で身体動作・身体へのフィードバックを必要とする技術専門職でもリモートワーク・テレワークを実現する事が可能なアイデアですね。
この技術は主として医療現場・介護現場・モノづくり・一次産業など手先の操作を伴う幅広い業種から注目を集め、ニーズも高くなっています。
そして上記の開発に携わったH2L社は口腔周辺の筋肉を制御するウェアラブル装置もドコモと一緒に開発を進めています。
これは自分の顔に他人の口の動きと表情をリアルタイムで再現する物です。
頬に装着したデバイスより口腔周辺の筋肉に電気刺激を与え、収縮させ他人の口の動きやAIが指定する口の動きを再現させることができます。
このFACE SHARING™を活用すれば多言語のオーラルコミュニケーション学習だったりプロの話し手や歌手の口腔動作だったり魔の取り方等を体感する事も出来ますね。
写真が、その装置?になります。
ヘッドフォンのように見えますが違います。
スマートシティはビジネスモデルになり得るのか?
スマートシティがビジネスモデルになるのかと言われると正直、現段階ではなり得ないと言わざるを得ない状況ですね。
実証事業は、かなり前(2010年)からスタートしていますが実験段階に居るのが現状ですね。
欧米の方では電力利用の効率化を目的とした実証実験が行われていますね。
一方、中国では低炭素型の大規模都市開発を目論んでいますが都市の完成には漕ぎつけていないのが現状ですね。
国内の事業も実証実験のさなかで、資金源は国の補助金と参画企業の研究開発費となっていますがスマートシティがビジネスに成立する事例は存在しません。
言ってしまえば自治体単位の都市開発プロジェクト参画がカギを握っているわけですが、スマートシティプロジェクトで比較的ビジネス化に近いのでは?と考えられるのは民間企業が主体で行う住宅や商業施設の開発プロジェクトです。
開発した住宅・施設は企業の価格設定によっては販売も可能で、言ってしまえばビジネスとして成立させることができます。
ただスマートシティ向けの最先端の製品やサービスの低価格化は簡単ではありません。
という事で改めて結論を述べるとスマートシティを本格的にビズネスにするのは困難という事になります。
スマートシティの技術で、何が可能?
スマートシティの技術をもってすれば色んな可能性が広がりますね。
- 通信ネットワークと5Gやレーザー・センサーなど(センシング技術)
- 分析と予測技術(避難施設配置のシミュレーション等)
- データ保有
- データ・プラットフォーム
- データの活用で見える化など
- 自動運転やドローンなど
交通や防災・健康・地域活性化等、色んな分野で可能性が広がって行きますね。
センシング技術の部分で言えば地上は勿論、宇宙や海底までも網羅できるRFIDや無線を利用した最先端のセンサーや映像認証技術で高度な認証につながるデータを提供できます。
これによって、例えば地震の感知がより早くできたり、光ケーブルセンサーで距離の長い高速道路を監視しやすくなったり出来ます。
尚、センシングで認証されたデータについては所在や状態の正当性チェックを行う事で常に認証されます。
スマートシティでは街の認証データの量が膨大となりますのでリアルタイム性を高めるための高度な認証技術により効率的、且つ早く、確実な認証を行います。
監視の場面でもセンシング・認証・制御等の状態が正常か監視するとともに異常を検知したら然るべきところへリアルタイムに通知されます。
万が一、異常が発生したらリアルタイムで映像等の情報を通知して防災・防犯・事故防止等を行います。
制御の部分で言うとモニタリングされたデータをリアルタイムで解析していき最適な制御情報を判断して指令?を送ります。
ビル内などでは情報の活用でより限られたエリアで空調の制御が可能になったりと、そこで活動する方に合わせた環境を容易に作ることができます。
クラウド基盤を充実させる事でハードウェアやデータの所在を気にしなくても災害に強いバックアップ機能を付加するなど必要な分だけ利用でき、また状況や時間の経過で変化するサービスに対し迅速且つ柔軟な対応が可能となります。